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発達障害の子育てでやってはいけないこと7選

発達障害の子育てでやってはいけないこと7選イメージ画像-株式会社アイトカム諏訪部彩

今回は「発達障害の子育てでやってはいけないこと」7選を紹介します。

発達障害と言っても症状や程度、特性は様々なので、もちろんこの限りではないと思います。ここでは実際に諏訪部彩が、発達障害グレーゾーンの我が子との関わりを通じて日々体験し、感じたことを1つ1つ解説させていただきます。

  1. 人と比べる
  2. 「普通」と比べる
  3. 頭ごなしに否定する
  4. 「察する」ことを求める
  5. 話を遮る
  6. 急かす
  7. 先回りする

1.人と比べる


保護者の方のお悩みの多くを占めるのは、周囲の同学年のお子さんと比べて、うちの子はあれも出来ない、これも出来ない、なんで??という焦りではないかと思います。その焦りから「どうしてこんなことも出来ないの!」と感情的に叱ってしまうと、子どもは落ち込み、自己肯定感がどんどん低くなり、自信を無くしてしまいます。

人は一人ひとり違うわけで、成長のスピードも人それぞれです。特性もそれぞれです。社会システムの便宜上、4月生まれから翌年3月生まれの子どもを一区切りとして同学年で同じ環境で学ばせるわけですが、だからと言って、比べて一喜一憂する必要はないのではないでしょうか。

比べるとすれば他人ではなく、その子自身。半年前と比べて、1年前と比べて、出来ることが増えているか、自信がついているか、たとえ少しの変化だとしても、大いに喜んで褒めてあげることで、子どもの自己肯定感と自信が育まれていきます。周囲ではなく、大切な目の前の我が子だけを見てあげてほしいなと思います。

2.「普通」と比べる


ここでいう「普通」とは、保護者の方が持っている「普通」です。あまり意識をしていない方もいるかもしれませんが、無意識のうちに「普通はこう思うはずだよね」「普通はこういう行動をするよね」という見方をしていて、子どもがその「普通」とは違う言動をすると、「え?なんで?」とこれまた焦りが出てくるわけです。

そもそも「普通」は人それぞれの経験や価値観から異なってくるので、自分の中の「普通」と子どもの言動を比較するのは、意味がないですよね。自分の中の「普通」を取り払い、フラットな目で子どもを見てあげることで、自分の気持ちも楽になるし、視野も広がり、自分にはなかった考え方やものの見方に、素直に驚き、肯定できると思います。そんなスタンスがまた、子どもの自信や自己肯定感を高めることにつながると考えています。

3.頭ごなしに否定する


人と比べたり、「普通」と比べたりすることで、それらとずれた言動がみられると、「なんで同じことが出来ないの?」と否定したい気持ちが出てくるかもしれません。

そんな時、頭ごなしに否定することをしてはいけません。自己肯定感も自信もダダ下がりです。直ちに命に危険が迫るような危ない行動でない限りは、こちらが落ち着いて、その言動に至った理由や背景を一つ一つ子どもに聞いてみましょう。そうすると、悪気は全くなく、こちらが想像つかないような、まったく違った視点からの発想を持っていたり、当たり前に知っているだろうと思っていたことを知らなかっただけだったり、ということに気がつきます。理解に徹する姿勢がとても大事です。

4.「察する」ことを求める


発達障害の子どもは「ちょっと」や「あっち」などの、人により解釈に幅のある曖昧な表現は理解がしづらく「なんとなくこちらの状況を察してよ」「つべこべ言わないでとりあえずやりなよ」というのも、特性上難しいことなのです。

それにも関わらず、「察する」ことを求めてしまうと、お互いにイライラの元になります。「これから○○へ行って○○をするよ」「5分だけ待っていてね」「あと30分かかるよ」「○時○分まで○○をやるよ」と、こちらの状況や先の見通しを具体的に示してあげれば、子どもは落ち着き、言われたとおりに行動できることが増えていきます。

5.話を遮る


これは発達障害の有無に限らずですが、子どもは毎日新しい発見、新しい経験の連続で、自分の気づきを誰かに伝えたい!そんな気持ちでいっぱいです。起きている間は常に頭はフル回転でめまぐるしく様々なことを考えます。誰かに話をしながら頭を整理出来たり、気持ちを落ち着けたりすることが出来るのです。

そんな状況を理解してあげ、まずはこちらが話を遮ることなくとことん聴いて、肯定も否定もせず受け止めてあげることがとても大切です。子どもに対して「ちゃんと人の話を聞きなさい!」なんて叱ったりしていませんか?そんなときはひと呼吸。まずは自分の行動を振り返ってみてください。子どもは自分が経験しないと、やり方を知ることが出来ません。当然実践することが出来ません。つまり、子ども自身がじっくり自分の話を聞いてもらった経験がないと、人の話も聞くことが出来ない、聞き方が分からないということです。

子どもの話を途中で遮らず、目を見てたくさんたくさん聴いてあげましょう。発達障害の子どもは特に、それが安心感につながり、行動の落ち着きにもつながっていきます。

6.急かす


発達障害の子どもは、周囲の目や評価が気にならない特性があるので、自分のテリトリー、自分のペースを自分で崩すことも、人に崩されることも苦手な傾向です。無理強いするとパニックになってしまうこともあるので、それは避けてあげたいところです。

そのためには、行動してほしいことを、あらかじめ、具体的に、時間に余裕をもって伝えてあげることが大切です。これまた特性上言われたことを忘れてしまうこともあるので、出来れば絵や図に書いて伝えてあげると効果的です。

基本的に、急かさず待ってあげる姿勢が、子どもの安心感につながり、落ち着いて一つ一つ自分がすべき行動をクリアすることにつながり、出来たという経験が、自信につながっていきます。

7.先回りする


人と比べたり、自分の中の「普通」と比べたりしてしまうと、どうしても「出来ないこと」や「人と違うこと」に目が行きがちで、親としてはついつい失敗を避けるために先回りしてやってあげてしまったり、ものごとの大部分をお膳立てしてしまったりすることがあるかと思います。

周りと比べて「出来ない」こと、「人と違う」ことを突き付けられることで自信を失ってほしくない、という親心、とても共感できます。しかし、長い目で見るとそれは、逆効果になってしまうかもしれません。

発達障害の子どもに限らずですが、私は子育てで大事なのは、生きていくための土台を作る大事な幼少期、小学生、中学生くらいまでの時期に「主体性」「自己肯定感」「自信」この3つを育んであげることだと考えています。

先回りするということは、保護者が思う正しいレールに子どもを乗せようとすることと同じです。よかれと思ってやっていることですが、それは子どもの独自の感性や見方を否定するのと同じ意味になり、「主体性」を奪ってしまいます。指示待ちになります。自分の考え方ややり方は違うんだ、と「自己肯定感」も「自信」もつけられなくなってしまいます。もちろん、子ども自身のやり方でうまくいかないことも、間違ってしまうこともあるでしょう。

でも、失敗は失敗ではなく「成功へのヒント」であると、考え方を変えて、子どものことを見守り、ひたすら待ってあげる。これが大事だと考えています。

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