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先生のお話はちゃんと聞いているよ

先生のお話はちゃんと聞いているよのイメージ画像-株式会社アイトカム諏訪部彩

前を向き姿勢をまっすぐにしている 集中して先生の話を聞いている

大人が思う「こうすべき!」に当てはまらないから「ダメな子」と勝手に決めつけるのは早計だ、ということを言いたいと思います。

発達障害グレーゾーンの息子は小学校低学年なのですが、本当に自由な子どもでして、授業中も結構好き勝手にしてしまいます。私も最初は面食らいまして、どうやって対応すべきなのか戸惑いました。教科書やノートは出さず、机におでこをつけてシャットダウンしてしまったり、体を起こしているかと思えば折り紙を折っていたり。とても授業に積極的に参加しているようには見えないのです。

ところがある日、担任の先生と面談をしたとき、

「息子くん、あんなふうにしていて、てっきりお話を聞いていないかと思いきや、突然手を挙げて答えてくれたりするのです。それがまた適切でして。どうやらお話はちゃんと聞いてくれているようです。」と言われたのです。

息子に聞いてみると「ぼく、ちゃんと先生のお話聞いているよ」と。「え?だって、教科書もノートも出していないし、折り紙してたりするでしょ?」と私が言うと、「まあ、それはそうだけれど。ちゃんとお話は聞いているから分かってるもん!」なんて言うわけです。

このやりとりで私は気づいたのです


なるほど。私たち大人は、子どもがじっとして前を向き、姿勢をまっすぐにして教科書を開いていれば、ちゃんと授業に集中して話を聞いている、と判断します。一方、子どもがよそ見をしたり、授業とは関係ないことをしていたりすると、ちゃんと授業に参加していない、話を聞いていない、と判断します。それは当然ですよね。可能性は高いです。でも必ずしも「=」とは限らないのでは?ということです。

息子のように、姿勢は悪くとも耳はちゃんと傾けて聞いている、ということがあるように、前を向いて話を聞いているように見えても、実は頭の中ではぜんぜん違うことを考えている、なんてこともあるかもしれません。

大人がこれまでの経験だけで判断をしたり、背景や理由についてよく話も聞かずに上辺の行動・見た目だけで判断したりすると、子どもと本当の意味での信頼関係を築くのは難しくなるなと思っています。子どもはとても賢く、大人が「ちゃんと前を向いている=授業を聞いている」という判断をしているとわかると、その「フリ」だけするようになっていきます。どんどんその子の思いや本質が見えなくなります。

大人の「こうすべき」の見方で判断しないでほしい


発達障害の子どもたちは「みんなと同じように」「大人が常識と考えている」行動をしない、出来ない、というケースがあります。親をはじめ、周囲にいる大人が、まずは受け入れてあげてほしいと思います。背景や理由について、ていねいに聴いて、寄り添ってあげてほしい。成長曲線の描き方は人それぞれだけれど、「より成長したい」という気持ちは誰もが必ず持っていますし、成長していく力もあります。芽が出て、すくすくと伸び始めるまで、大人の目線だけで決めつけずに、そばで見守って、待ってほしいなと思います。

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