発達障害への理解を深める【1】ー発達障害とは
発達障害と向き合う子どもたちが将来自立して幸せに生活できるように
癇癪(かんしゃく)、パニック、他害、自己否定、偏食・・・子どもたちのいわゆる「問題行動」は、発達障害による特性に起因しているのもあるのですが、周囲の人間の無理解や誤った対応によって、引き起こされる、あるいは、行動が強化されていく、というケースが多くあるのです。
逆を言えば、周囲の人間が発達障害に対する正しい知識を持ち、個々に合った適切な配慮をしてあげることで、発達障害があるとしても、悩みを抱えたり、生きづらさを感じたりすることなく、日常生活を送ることが出来る、ということです。
とどのつまり、子どもと関わる周囲の人間の正しい理解が大事、ということで、「発達障害への理解を深める」というテーマでシリーズ化して書いていきたいと思います。
発達障害の子どもと向き合う親が、発達障害に関する正しい知識を知り、『将来子どもが自立し幸せに生活出来るようになる』ことを目指してサポートする、というポジティブなマインドを前提にした視点から、私なりに情報を集めていきます。
発達障害および各症状の定義については、厚生労働省作成のホームページから引用させていただき、掲載しています。リンクはページの一番下に記載します。
発達障害とは
発達障害者支援法では、発達障害を「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」と定義し、支援の対象としています。つまり日本では明確に発達障害を障害として定義づけています。
それに基づいて行政として支援を行っているわけなのですが、一方では「発達障害は生まれつきの脳の特性であって、病気とは異なる」という捉え方もあり、特性の現れ方も、百人いれば百通りあると言っても良いくらい、人によって濃淡が異なるので、明確な線引きが難しく、そこが発達障害の子どもたちの生きづらさや、必要な人へ適切な支援が行き届きにくい状況を生んでいるのではないでしょうか。
発達障害は「障害」なのか「特性」なのか、というのは、発達障害の子どもたちとその親が、どちらが前向きに捉えることが出来るのかが大事だと思います。「障害」と言う風に診断が下りる方が気が楽になる、と言う方もいるでしょうし、あくまでその子の「特性」であり「個性」なんだと捉える方が安心出来る方もいると思います。
いずれにしても、お子さんが日常生活や学校生活を不安なく送ることが出来る、自分の特性が活かせて自信が持てる環境を作ってあげることが大事です。そうすれば、自分で自分が活躍できる道を見つけ、自立出来ます。そうなった時、わざわざその子を「発達障害」と表現する必要はないのではないでしょうか。
発達障害には、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症(ADHD)、学習症(学習障害)、チック症、吃音などが含まれます。
これらは、生まれつき脳の働き方に違いがあるという点が共通しています。同じ障害名でも特性の現れ方が違ったり、いくつかの発達障害を併せ持ったりすることもあります。
各障害について、よくみられる特徴の例を挙げていますが、それと同じような特徴がみられたとしても、必ずしも発達障害と断定されるわけではありません。
自閉スペクトラム症とは
コミュニケーションの場面で、言葉や視線、表情、身振りなどを用いて相互的にやりとりをしたり、自分の気持ちを伝えたり、相手の気持ちを読み取ったりすることが苦手です。また、特定のことに強い関心をもっていたり、こだわりが強かったりします。また、感覚の過敏さを持ち合わせている場合もあります。
発達障害への理解を深める【2】ー自閉スペクトラム症(ASD)とは
注意欠如・多動症(ADHD)とは
発達年齢に比べて、落ち着きがない、待てない(多動性-衝動性)、注意が持続しにくい、作業にミスが多い(不注意)といった特性があります。多動性−衝動性と不注意の両方が認められる場合も、いずれか一方が認められる場合もあります。
発達障害への理解を深める【3】ー注意欠如・多動症(ADHD)とは
学習障害(LD)とは
全般的な知的発達には問題がないのに、読む、書く、計算するなど特定の学習のみに困難が認められる状態をいいます。
チック症とは
チックは、思わず起こってしまう素早い身体の動きや発声です。まばたきや咳払いなどの運動チックや音声チックが一時的に現れることは多くの子どもにあることで、そっと経過をみておいてよいものです。しかし、体質的にさまざまな運動チック、音声チックが1年以上にわたり強く持続し、日常生活に支障を来すほどになることもあり、その場合にはトゥレット症とよばれます。
吃音とは
滑らかに話すことができないという状態をいいます。音をくりかえしたり、音が伸びたり、なかなか話し出せないといった、さまざまな症状があります。
参考サイト 厚生労働省|知ることから始めようみんなのメンタルヘルス総合サイト
参考サイト 発達障害ナビポータル