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発達障害への理解を深める【4】ー学習障害(LD)とは

発達障害への理解を深める【4】学習障害(LD)とはのイメージ画像_株式会社アイトカム_諏訪部彩

発達障害と向き合う子どもたちが将来自立して幸せに生活できるように

癇癪(かんしゃく)、パニック、他害、自己否定、偏食・・・子どもたちのいわゆる「問題行動」は、発達障害による特性に起因しているのもあるのですが、周囲の人間の無理解や誤った対応によって、引き起こされる、あるいは、行動が強化されていく、というケースが多くあるのです。逆を言えば、周囲の人間が発達障害に対する正しい知識を持ち、個々に合った適切な配慮をしてあげることで、発達障害があるとしても、悩みを抱えたり、生きづらさを感じたりすることなく、日常生活を送ることが出来る、ということです。

とどのつまり、子どもと関わる周囲の人間の正しい理解が大事、ということで、「発達障害への理解を深める」というテーマでシリーズ化して書いています。

発達障害と向き合う親が、発達障害に関する正しい知識を知り、『将来子どもが自立し幸せに生活出来るようになる』ことを目指してサポートする、というポジティブなマインドを前提にした視点から、私なりに情報を集めております。

発達障害および各症状の定義については、厚生労働省作成のホームページから引用させていただき、掲載しています。リンクはページの一番下に記載します。

学習障害(LD)とは


学習障害(限局性学習症、LD)は、読み書き能力や計算力などの算数機能に関する、特異的な発達障害のひとつです。学習障害には、読字の障害を伴うタイプ、書字表出の障害を伴うタイプ、算数の障害を伴うタイプの3つがあります。

文部科学省の学習障害の定義としては、「学習障害とは、全般的に知的発達に遅れはないが、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」といった学習に必要な基礎的な能力のうち、一つないし複数の特定の能力についてなかなか習得できなかったり、うまく発揮することができなかったりすることによって、学習上、様々な困難に直面している状態をいいます。」と記載されています。

簡単に言うと、知的障害ではないが、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」のうち、どれか一つでも著しい困難がある場合は学習障害として診断される可能性があります。そのため、勉強が良く出来て優等生と言われる子でも、例えば「話す」ことに著しい困難があると、発達障害と診断される可能性があるのです。また、読む・書くという基本的なことであるために、周りからは学習の努力が足りないと思われてしまうこともあり、他人から理解されづらく、一人で苦しむ人が多くいると言われています。

学習障害には的確な診断・検査が必要で、一人ひとりの認知の特性に応じた対応法が求められます。ADHD(注意欠如・多動症)やASD(自閉スペクトラム症)などを伴う場合には、それらを考慮した配慮、学習支援も必要となり、家庭・学校・医療関係者の連携が欠かせません。

発達性ディスレクシア


小児期に生じる特異的な読み書き障害は発達性ディスレクシアとして知られ、知的な遅れや視聴覚障害がなく充分な教育歴と本人の努力がみられるにもかかわらず、知的能力から期待される読字能力を獲得することに困難がある状態、と定義されます。なお、通常、読み能力だけでなく書字能力も劣っています。

発達性ディスレクシアの発生頻度はアルファベット語圏で3~12%と報告されています。日本では2002年に続いて2012年に小中学校教師を対象とした全国調査が行われました。それによると、学習面に著しい困難を示す児童生徒は4.5%存在することが示されています。

日本語はひらがな・カタカナ・漢字の3つの文字表記がありますが、ひらがなの学習障害は0.8~2.1%の有病率とされます。漢字や英語の学習障害はそれよりさらに多いとも見積もられていますが、文字別の有病率も含めた詳細なデータは今後の研究課題です。

発達性ディスレクシアの診断の流れ


発達性ディスレクシアの診断は、標準化された読字・書字検査に基づいて行われることになっています。診断の流れを以下に述べます。

  1. 最初に知的機能評価を行います。このためにはWechsler式知能検査などの標準化された知能検査が重要です。知能指数(IQ)が知的障害のレベルにはないことを確認します。
  2. 次に、ひらがな音読検査を行い、その流暢性や正確性を確認します。2010年に発行された「特異的発達障害診断・治療のための実践ガイドライン」に、4つの音読検査が示されています。また、STRAW-R、KABC-II習得度検査、CARD等により、漢字やひらがなの読字書字到達度を測ることができます。最近は、英単語の読み書き理解についての検査法も刊行されています。
  3. 読みを支える側面について、音韻認識機能の検査(しりとり、単語逆唱、非語の復唱)、視覚認知機能の検査(Rey複雑図形模写、視知覚発達検査)、言葉の記銘力検査(auditory verbal learning test; AVLT)などを行う場合もあります。

発達性ディスレクシアの読字や書字の特徴


発達性ディスレクシアの読字や書字の特徴には、以下のものがあります。

  1. 文字を一つ一つ拾って読むという逐次読みをする
  2. 単語あるいは文節の途中で区切って読む
  3. 読んでいるところを確認するように指で押さえながら読む(これらは音読の遅延、文の意味理解不良につながる)
  4. 文字間や単語間が広い場合は読めるが、狭いと読み誤りが増えて行を取り違える
  5. 音読不能な文字を読み飛ばす
  6. 文末などを適当に変えて読んでしまう適当読み
  7. 音読みしかできない、あるいは訓読みしかできない
  8. 拗音「ょ」促音「っ」など、特殊音節の書き間違えや抜かし
  9. 助詞「は」を「わ」と書くなどの同じ音の書字誤り
  10. 形態的に類似した文字「め・ぬ」等の書字誤りを示す

どこに相談するか


学習障害が疑われるときには、中枢神経系の器質的な疾患の有無を明らかにするために、医学的な評価も重要となります。

これまでの精神運動発達の様子・病気の罹患歴などを確認し、必要な場合は頭部画像検査などが行われます。上記のように、心理検査によって視覚認知機能・視空間認知機能・音韻認識機能を知ることも重要です。発達性ディスレクシアでは音韻操作、呼称の速さの能力をみることが支援につながるため、専門家(小児神経科医師、言語聴覚士など)と相談することが必要になります。ADHD(注意欠如・多動症)やASD(自閉スペクトラム症)がある場合は、学業不振症状がそれらに伴うものかどうか見極めが必要となります。家庭と学校、そして医療関係者の連携がとりわけ必要な疾患です。
最近の研究により、5-6歳の保育所・幼稚園の段階で読み書き障害のリスクをスクリーニングする観察シートも作成されています。国立障害者リハビリテーションセンター発達障害情報・支援センターのサイト(http://www.rehab.go.jp/ddis/)もご覧ください。


参考サイト 厚生労働省|知ることから始めようみんなのメンタルヘルス総合サイト

参考サイト 発達障害ナビポータル

参考サイト 厚生労働省|eヘルスネット|学習障害(限局性学習症)

参考サイト 文部科学省|学習障害

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