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発達障害の子どもこそこれからの時代に必要な人材である理由6つ

発達障害の子どもこそこれからの時代に必要な人材である理由イメージ画像-株式会社アイトカム諏訪部彩

今回は「発達障害の子どもこそこれからの時代に必要な人材である理由」6つを紹介します。

発達障害と言っても症状や程度、特性は様々なので、もちろんこの限りではありません。そして、グローバル化、AI・機械化がますます進み、変化のスピードの速いこれからの時代においては、求められる人材というのも、この限りではないと考えています。

ただ、周りと比べて出来ないこと、劣ることに目を向けすぎるのではなく、発達障害の子どもたちが特性として持っていることを伸ばしてあげることで、これからの時代を生きる上での大きな武器となり、社会で大いに活躍することが出来るのだ、ということを、まずは当事者である保護者の皆様に、そして多くの方々に認識して頂けたら嬉しいです。それが誰も取り残されない、誰もが生きやすい社会の実現につながっていくと思うのです。

  1. 主体的である
  2. 革新的である
  3. 実行力がある
  4. 自分軸を持っている
  5. 「普通」ではなく「特長」がある
  6. 出来ることと出来ないことがはっきりしている

1.主体的である


私が定義する「主体的である」というのは、誰かに言われるがままではなく、アドバイスを受けても、最終的には自分の言動を自分で選択し、そして自分の選択の結果に責任を持つ、ということです。

発達障害の子の特性として、良い意味で周囲の目や評価を気にしない、そして固定観念に囚われずに物事を見て、判断し、行動します。これは言い方を変えれば「主体的に行動できる」ということです。時に、場面やタイミングが適切でない言動をしたとしても、頭ごなしに否定をせず、理由や背景、気持ちをよく聞いてあげることで、子どもは理解してくれたと感じ、安心し、自信を持って行動することが出来るようになります。そしてもともと持っている「主体的である」という良い面が損なわれることなく伸びていくでしょう。

2.革新的である


前例はどうだったか、周囲はどのようにしているか、等を気にしない特性を持っているため、なんでも「マイルール」でやろうとします。決められたルールが守れない、といえばそれまでですが、こちらが興味を持って「マイルール」を聞いてみると、むしろそんな見方・考え方があったのか!という気づきの連続です。

もちろん、集団生活における必要最低限のルールは教えていき、守らせる必要はあると思いますが、子どもを見守る周囲の方が、物事の見方は一方向ではない、ということを肝に銘じ、人とは違う見方や考え方から革新的なアイデアが生まれると信じ、子どもを尊重してあげる姿勢が、もともと持っている良い面を育むことになると思います。

3.実行力がある


発達障害の子どもは、とてつもなく実行力があるなと感じています。周囲の目が気にならず、空気を読まない特性を持っているので、思い立ったことはすぐに実行します。周りからするとすごく衝動的な行動に見えてしまうこともあります。

しかしこれも、発揮する程度と場面次第で紙一重だということです。やろうと思っても、もうちょっとよく考えてからにしよう、機が熟してからにしよう、と考えて、どんどんタイミングが遅れる、どんどん腰が重くなっていく。それよりもスピード第一!ひとまずやってみてから、うまくいかないことは修正すれば良い!そんな考え方の方が、技術の進歩が速く、どんどん流行が移り変わっていく今の時代には、大きな武器になるということです。

4.自分軸を持っている


発達障害の子どもは、興味があることには集中してとことん取り組みますが、逆に興味のないことには、全くと言ってよいほど関心を持たず、なかなか取り組もうとしません。学校生活においては、こういった姿勢に手を焼いたりはするのですが。

これは、逆を言えば「自分軸をしっかりと持っている」と言えるわけです。自分の意思に反しているけれど、周囲がやっているからなんとなくやろう、やっているふりをしよう、ということもありません。取り繕ってその場をやり過ごそうとすることもありません。こんな特性を良い、と取るか、悪い、と取るかは、人それぞれかもしれませんが、すぐ人の目や評価を気にして、言われることに流されてしまっていた私からすると、素晴らしい長所だなと思うのです。

これからは「自分がどう思われたいか」よりも「自分がどうありたいか」を大事に、そして、お互いの「自分の在り方」を尊重できる世の中になっていく、と考えています。

5.「普通」ではなく「特長」がある


日本は長らく、どんなことも平均的にこなせて言われたことを忠実に出来る、みんなと同じである、こういったことが求められる暗黙の風潮がありました。「まじめ、勤勉、協調性、従順・・・」高品質の製品を大量に生産すれば売れた時代に合致した価値観だったのでしょう。

ところが、AI化・機械化が急速に進む昨今では、いわゆる「普通」なことは標準化され、機械がするようになっています。これからは「普通」ではなく、人にはない「自分だけの強み」をアピールして売っていく時代になっていきます。苦手なこと、出来ないことが多かったとしても、何か1つ、人よりも秀でる得意なことがあれば、それに自信が持てれば、十分に社会で活躍できるのです。

逆に、苦手なことや出来ないことは、それが得意な人に助けてもらえば良いのです。自分が得意なことで人を助け、苦手なことは人に助けてもらう、それが本来の協調性だと思うのです。子どもたちには、自分が得意なことと、苦手なことを認識すること、苦手なことは周りの人に素直に「助けて!手伝って!」と言える、そんな力をつけていってもらえると良いと考えています。

6.出来ることと出来ないことがはっきりしている


発達障害の子どもは、得意なことと苦手のことの凸凹差が激しい、つまり出来ることと出来ないことがはっきりしているので、本人も周りも、出来ないことにフォーカスしてしまうと、生きづらさを感じることが多くなってしまいます。そうすると、自信も持てずに、余計に出来ないことから目を背けようとします。

発達障害の有無に限らず、誰にでも得意なことと不得意なことは両方持ち合わせています。でも、凸凹差はそれほどなかったりするので、不得意なこともそれほど際立たないけれど、得意なこと、良い面も分かりづらかったりするのです。凸凹差がはっきりしているのは、良いことです。

だから、これは出来る、これは出来ない、ということを本人も保護者も認識して、受け入れることがスタートだと思っています。5.「普通」ではなく「特長」がある、でも書きましたが、それが出来ればあとは、苦手なことや出来ないことを、得意な人に助けてもらえば良いのです。その子の「出来ること」で十分、人を助けてあげられるのですから。そんな風に考えて、どんどん子どもたちに自信を持ってもらいましょう。

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