これからの時代は発達障害の子どもたちにとってチャンスだ!
子どものうちに「生きるための土台」をどう作ってあげられるか
学校生活などでは、何かとやりづらさ、生きづらさを感じてしまうことがある発達障害の子どもたち。親や周囲のサポートを受けながら、自己肯定感を高め、自分の長所に気づいて自信をつけ、そして自分の行動、選択に責任が持てる主体性を身につけて、なんとか乗り切ってほしい。
そんな思いがありまして、諏訪部彩は現在『発達障害と向き合う親子のための同時サポート』をメインに活動しています。
なぜ、そこに力を入れるのかというと、子ども時代に「生きるための土台」さえ作れれば、今の子どもたちが大人になっていくこれからの時代、発達障害の子どもたちにとってはチャンスだ!と感じているからです。
ここで念のためお話しておきますが「生きるための土台」を子ども時代にしっかり作るというのは、=学校へ行くこととは限りません。
「生きるための土台」は学校に行かないと作れないわけではないと考えています。親をはじめ、周囲の大人の関わりによって、しっかりと築くことが出来ます。ただ、タイミングだけは大事だと思っています。やはり基礎的な人格形成が成される6歳から15歳の間の期間、このタイミングを逃さずに適切に関わってあげることが重要だと考えています。
日本では義務教育だからと、その期間無理やり学校へ行かせることが、その子にとっては適切な対応とは言えない場合だってあるのです。
なぜこれから先の未来は「チャンスだ!」と言えるか
本題に戻りますが、なぜ私がこれから先の未来は「チャンスだ!」と考えているかについてです。
これまでの日本というのは、新卒一括採用・定年制・終身雇用を前提とし、0歳から22歳ごろまでが教育を受ける期間、22歳から60歳までがバリバリ仕事をする期間、60歳以降が引退し老後を過ごす期間、とはっきりと分かれる「3ステージ型」の人生が主流でした。暦年齢とステージ(期間)がリンクしており、みんなが一緒にその流れに沿って進んでいき、良い大学、良い企業に入ることが出来れば人生安泰!そんな考え方が常識になっていました。
見方・考え方は様々あるかと思いますが、これを発達障害の子どもたちの視点から見てみるとどうかというと、少々不利なシステムだったわけなのです。なぜならば「みんな一緒」という、この流れに乗れなかった場合、極端な言い方をすれば人生がそこで詰んでしまうリスクをはらんでいたからです。
しかし、これから先の未来は『人生100年時代』。
これは確実にやってくる未来だと言われています。すでに「3ステージ型」のモデルは崩れ始めており、「マルチ・ステージ」モデルへと移行しています。
これまでのように、用意されたキャリア(レール)に自分が合わせて乗っかっていくのではなく、自分自身でキャリア(レール)を創造していくので、人それぞれ。正解・不正解も、良い・悪いもありません。
「3ステージ型」のモデルのようなスタンダードは、もう存在しなくなるのです。
スタンダードがないのだから発達障害だと不利とか、健常者だと有利とかもない!
私たち親世代が育ってきた頃とは違い、6歳から22歳までの間に教育を受けたら終わり、ではありません。
学びは一生続きます。学び方の選択肢も増えています。そして、いつでもいつからでも学ぶことは可能になっています。
もっと言えば、学生時代に学校に行きたがらない、全然勉強しない、そんな状況だと親からするととても不安になるかもしれませんが、いいんですよ。学びたくなった時に学べば。勉強に限らず興味を持ったことをとことんさせてあげる方が、興味が持てないことを無理やりやるよりも、ストレスなく心地よく生きられますよね。
お子さんが笑顔でストレスなく生きることが出来るのがまずは一番大事。
それに、標準的、人と同じ、ではなく、唯一無二のスキル・知識やその子だから生み出せる発想力を身に着けることができる可能性だって高まります。これからは標準的なことはロボットがやりますから、後者のような能力が育っているお子さんの方が社会から必要とされるのです。
今ある仕事は10年後、20年後も存在しているとは限りません。今はない新しい仕事もたくさん出てくるかもしれません。SNS全盛で、誰でも自分の思いを発信することができ、世界中の人とつながることが出来ます。自分の強みを活かしたスキルが、誰かの役に立てる、仕事になっていく可能性を秘めているのです。
居場所も役割も1つではありません。
仕事は複数持っても良いし、仕事をしながらボランティア活動をしたり、旅をしながら仕事したりすることだって可能です。自分が心地よいと感じる居場所や役割は、自分から求めていきさえすれば必ず見つかるでしょう。日本が居心地が悪ければ海外だっていい。
お子さん自身も、そして見守る親も、視野を広げ、短期的な視点ではなくて、長期的な視点で考えることが大切なのです。
このように、誰でも自分だけの強みを認識し、自分が望む未来を創造し、それに向かっていける世の中になっていきます。
『人生100年時代』という長丁場の人生、これまでのように、レールから外れてしまったら終わり、ということはありません。いつからでも、何度でも、自分の敷きたいようにレールを敷いて、自分の足で歩んでいくことが出来るのです。
みんながそうなんです。誰かが有利で、発達障害があるから不利ということもありません。
ぜひ、発達障害のお子さんを育てる保護者の方には、目の前のお子さんの状況に一喜一憂するのではなく、長い目でおおらかに見てあげて、お子さんのこれからの時代を「生きるための土台」をじっくりと作ってあげてほしいです。
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